訪日外国人数は、月間300万人を超える水準で推移しています。来店先をGoogleマップで探す人も多く含まれます。日本語の情報しか登録していない店舗は、英語や中国語で検索した際に候補から外れやすくなります。
インバウンドMEO対策として、Googleビジネスプロフィールの管理画面から今すぐ自分で設定できる項目を、実際の操作画面とあわせて説明します。
- インバウンドMEOとはどんな取り組みか
- 訪日外国人向けに設定すべき属性(決済・Wi-Fi・食事対応など)の具体項目
- ビジネス名の多言語表示は、どこまで自分でできるか
- Googleマップ以外に登録しておくべき窓口
インバウンドMEOとは
インバウンドMEOは、訪日外国人がGoogleマップで店舗を探す場面に向けて、Googleビジネスプロフィールを整える取り組みを指します。MEO対策そのものの基本は、国内客向けと変わりません。基本設定から見直したい場合は、MEO対策とは?Googleマップで上位表示させる17の手順を実際の管理画面で解説を先に確認してください。
このうち、属性の登録や決済情報の追加は、費用をかけずに自分で設定できます。この記事では、その範囲に絞って手順を説明します。多言語対応を含めて継続的に運用したい場合は、代理店への相談も選択肢になります。
この記事の対象は、訪日外国人の来店が見込める立地・業種の店舗です。飲食店・宿泊施設・小売店・体験型サービスなど、外国語での検索から流入する可能性がある店舗であれば、業種を問わず当てはまります。
インバウンド集客でGoogleマップが重要な理由
来店先を探す場面では、Googleマップが使われることが多くなります。世界のモバイル検索エンジンシェアは、Googleが95.59%を占めています(Statcounter Global Stats)。日本語での検索と同じように、英語や中国語で検索した時もGoogleマップが入口になっています。
Googleマップは表示言語をユーザー側で選べるため、設定した言語に応じて店舗情報が自動的に翻訳されて表示されます。日本語だけで登録している店舗も検索結果には出てきますが、店舗名や説明文が翻訳されないまま表示され、外国語で検索したユーザーには読み取りにくくなります。

訪日外国人向けにGoogleビジネスプロフィールを設定する
ここからは実際の管理画面での作業です。公式ヘルプに基づいて確実に設定できる項目と、公式機能ではないため参考情報として扱う項目を分けて説明します。同じ確度で読んでしまうと、公式機能ではない方法が仕様変更で使えなくなった時に気づきにくくなります。
決済・Wi-Fi・食事対応などの属性を見直す
Googleビジネスプロフィールには属性という項目があり、設備やサービスの有無をユーザーに伝えられます(ビジネスの属性を管理する)。表示される項目は登録している業種によって決まり、飲食店・小売店・宿泊施設などの店舗型の業種でなければ、決済や食事対応の項目自体が出てこないことがあります。該当する業種であれば、次の分類は特に見直す価値があります。
- 決済方法:クレジットカード、NFCモバイル決済などの対応有無
- Wi-Fi:無料Wi-Fiの有無
- 食事対応:ハラール食、ベジタリアンメニューなどの提供有無(飲食店向け)
- バリアフリー:車椅子対応の入口・トイレ・駐車場の有無
決済方法とWi-Fiの有無が来店前に分かっていれば、両替や現金の準備をしてから来店できます。対応状況が分からないままでは、他の候補に流れてしまうこともあります。決済方法の対応状況は、属性のお支払いカテゴリから確認・変更できます。
ハラール食やベジタリアンメニューは、食べられるものが限られる訪日外国人にとって来店するかどうかの判断基準になる項目です。該当するメニューがある場合は、実際に提供している範囲でチェックを入れます。
バリアフリーの属性は、訪日外国人に限らず高齢の利用者や車椅子ユーザー全般に関わる情報です。車椅子対応の入口・トイレ・駐車場は、それぞれ入口の幅や段差の有無など個別の基準があります。基準を満たさない状態で登録すると、Google側の判定で修正されることがあります。
電子決済オプションの属性は日本限定で用意されています。設定手順は次の通りです。
- プロフィールを編集を開く
- その他から変更したい属性のカテゴリを選ぶ
- 編集アイコンを押し、該当有無を選ぶ
反映までは通常10分ほどですが、最大30日かかる場合があります。
既に詳しく設定している場合も、この観点で項目が漏れていないか確認する価値があります。属性の登録方法や項目の全体像は、Googleビジネスプロフィールの属性を登録しよう!メリットと登録方法で扱っています。
ビジネス名を多言語表示に対応させる
ビジネス名や説明文を複数言語で個別に登録する公式機能はありませんが、Googleマップ上で表示言語を切り替え、情報の修正を提案から該当言語の店舗名を入力する方法が、Googleビジネスプロフィールコミュニティで共有されています。
手順は次の通りです。
- Googleマップで自店を検索する
- 地図の言語設定を対象言語に切り替える
- 「情報の修正を提案」から「名前またはその他の情報を変更」を選び、その言語での店舗名を入力する
他のユーザーも同じ場所から情報の修正を提案できる仕組みのため、入力した内容が別の編集で上書きされることもあります。実施する場合は、提案した内容が反映されているかを定期的に確認する必要があります。
一方で、ビジネスの説明欄はGoogleの翻訳機能によってユーザーの言語設定に応じて自動的に翻訳される仕組みです。Googleビジネスプロフィール【ビジネスの説明】の登録方法と注意点を参考に、まずは日本語で正確な説明文を登録しておくことが、多言語対応の土台になります。
外国語の口コミを増やす
口コミもGoogleの翻訳機能で自動的に翻訳されて表示されます。外国語の口コミが増えるほど、同じ言語で検索する次の訪日外国人にとっての判断材料になります。
口コミを増やすには、来店客に直接お願いする方法が確実です。会計時にQRコードを見せて口コミ投稿ページへ案内するなど、言葉のやり取りを最小限にできる導線を用意しておくと、スタッフの負担を増やさずに依頼できます。
口コミへの返信も、投稿された言語に合わせて書くと、投稿者本人だけでなく同じ言語で店舗を探しているユーザーにも伝わりやすくなります。日本語で一律に返信すると、外国語の口コミを読んで来店を検討している次のユーザーには内容が伝わりにくくなります。複数の言語で口コミが投稿されている場合は、それぞれの言語で個別に返信する形になります。
返信文を自分で書くのが難しい場合は、翻訳ツールで下書きを作り、不自然な言い回しがないかを確認してから投稿する方法もあります。返信全体の書き方や注意点は、MEO対策で口コミを増やす正しい方法|獲得・返信・悪評対処まで完全ガイドで扱っています。
Googleマップ以外の露出も広げる
訪日外国人が使う地図・検索サービスは、Googleマップだけではありません。旅行前の情報収集に使われる主なサービスとして、TripAdvisor・Apple Mapsなどがあります。

TripAdvisorは、旅行前の口コミ比較でよく使われるサービスです。Googleとは別に口コミが蓄積されるため、Googleマップの口コミがまだ少ない店舗ほど、比較検討段階の訪日外国人に見つけてもらう窓口として意味を持ちます。ビジネスアカウントを作成し、店舗名・住所・営業時間などの基本情報を登録すると掲載されます。写真や説明文も合わせて登録しておくと、検索結果での見え方がGoogleマップと近くなり、同じ店舗だと認識しやすくなります。住所や電話番号がずれていると、別の店舗と勘違いされることもあります。
Apple Mapsは、iPhoneの標準地図アプリとして利用されます。Googleビジネスプロフィールとは別に、ブランド・所在地情報を管理するApple Businessから店舗情報を登録します。基本情報を入力し、Apple側の審査を経て掲載される流れです。審査には日数がかかるため、時間に余裕を持って申請しておきます。
これらのサービスにも店舗情報を登録しておくと、Googleマップの検索結果に出てこなかった訪日外国人にもリーチできます。登録は各サービスの手順に沿って進めます。すべてを一度に整える必要はなく、来店客の国籍や利用アプリの傾向を見ながら、優先順位をつけて進める方法もあります。基本情報の内容はGoogleビジネスプロフィールと揃えておくと、どのサービス経由で来店したユーザーにも同じ案内ができます。
よくある質問
属性の設定だけでインバウンド集客の効果は出ますか?
属性は来店前の判断材料をユーザーに伝える項目であり、単独で検索順位を大きく引き上げるものではありません。口コミの獲得や写真の充実、多言語対応など、他の施策とあわせて進める前提の項目です。
ビジネス名を英語表記だけに変更してもいいですか?
公式ガイドラインでは、実際の店舗で一貫して使用しているブランド名を使うことが求められています(Google に掲載するビジネス情報のガイドライン)。日本語の正式名称を英語表記だけに置き換えることは推奨されません。
多言語対応は代理店に任せた方がいいですか?
属性設定など自力でできる項目もありますが、複数言語での運用を継続的に管理するには工数がかかります。まずは本記事で扱う自力対応できる範囲から着手し、手が回らなくなった時点で外部への相談を検討する進め方が現実的です。
TripAdvisorとApple Mapsのどちらから登録すべきですか?
優先順位は業種や客層によって変わります。飲食店・観光施設で口コミによる比較検討が多い業種はTripAdvisor、iPhoneユーザーの利用が多いと見込まれる場合はApple Mapsから着手すると、それぞれの利用者層に早く届きます。
まとめ
属性の設定から着手し、余力があればビジネス名の多言語表示やGoogleマップ以外への登録へと範囲を広げていく進め方が現実的です。ビジネス名の多言語表示は、他のユーザーの編集で上書きされることがある方法です。運用する場合は、反映内容を定期的に確認することを前提にしてください。




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