これまで、美容室の集客と言えば「ホットペッパービューティー」や「OZmall」といったポータルサイトからの集客が主でした。
最近ではFacebook、Twitter、InstagramといったSNSも集客に活用されています。
そして今、美容室の集客で注目されているのがMEO対策(ローカルSEO)です。
この記事では、美容室の集客でどう注目されているか、MEO対策で集客効果を高めるポイントについて解説します。
MEOとは
MEOとは「Map Engine Optimization」の略です。
GoogleやGoogleマップで、「近くの美容室」や「地名 + 美容室」などと検索をしたときに、検索結果の上部に店舗情報(リスティング情報)が表示されることがあります。
該当する条件の店舗はたくさんありますが、検索をしたときに上位に表示されるのは一部の店舗だけです。
このエリアに自分の店舗情報を掲載するための最適化を「MEO」と言います。
店舗情報はGoogleが自動的に作成していることがあります。しかし、必ずしも正しい情報が掲載されているわけではありません。
Googleビジネスプロフィールにログインして、表示されている店舗のオーナーであることを証明できれば、店舗情報やメニューを正しい情報に編集できるようになります。
MEO対策はGoogleビジネスプロフィールを使い、最新の店舗情報を発信して認知度を上げていくことを言います。
認知度が上がることで表示順位が上位に来やすくなり、集客を増やすうえでも効果が期待できます。
まだGoogleビジネスプロフィールでオーナー確認をしていない方は、Googleビジネスプロフィールオーナー確認の手順と知っておくべき注意点にオーナー確認の方法に詳しく書かれていますので、ぜひ参照してみてください。
美容室の集客にMEOが必要な理由
なぜ今、美容室の集客にMEOが注目されるのでしょうか? 美容室の集客にMEOが必要な理由について説明します。
Googleの検索エンジンシェアが圧倒的
いまや、店舗を探すときにスマートフォンで検索するのは当然のことのようになっています。
では、みなさんは検索するとき、どの検索エンジンで検索していますか?
Yahoo!やBingではなく、Googleで検索している人が多いのではないでしょうか。
実は、日本国内の検索エンジンシェアは、PC、スマートフォンともにGoogleが約70%以上を占めていてダントツの1位なのです。
(引用:Desktop Search Engine Market Share Japan | StatCounter Global Stats)
(引用:Mobile Search Engine Market Share Japan | StatCounter Global Stats)
圧倒的なシェアを誇るGoogleの検索結果に自分の店舗情報を表示させることは、広告効果として非常に大きいのです。
「エリア名 + 美容室」といったキーワードでの検索が多い。
圧倒的なシェアを誇るGoogleですが、Googleで検索されている美容室関連のキーワードは、どういうキーワードでどれくらいのボリューム(回数)があるのか調べてみましょう。
例:「青山」「美容室」に関連するキーワードの検索ボリューム(月間)
上の表は、GoogleキーワードプランナーというGoogleが提供しているツールで調査したデータです。
「Googleではどのようなキーワードがどれくらいの回数検索されているか」を示しています。
※過去の統計データであるため実際に表示されている回数とは数値に誤差はあります。
それでは、具体的にデータを見ていきましょう。
表中にある「Min Serch Volume」は最低検索ボリューム、「Max Serch Volume」は最大検索ボリュームのことで、過去の統計データになります。
まず、「青山 美容室」と青山にエリアを絞って検索している方は月間で1,000〜10,000もあります。
さらに細かくみていくと、「青山 美容室 メンズ」は月間10〜100、「青山 美容室 ヘッドスパ」は月間10〜100あります。
「ボブ」、「ヘアセット」といった具体的なニーズを示したキーワードとのかけあわせも多いですね。
具体的なニーズをもったユーザーは来店してくれる可能性が高いと言えるでしょう。
これらのキーワードで自分の店舗情報を他の店舗情報より上位に表示させることができれば、集客に非常に有利です。
口コミを増やすことができる
ユーザーが店舗を探す際に必ずと言って参考にするのは、口コミでしょう。
美容室の口コミは、これまで「ホットペッパービューティー」や「ヘアログ」「エキテン」といった美容系ポータルサイト上で投稿されていました。
美容室はポータルサイトの口コミを増やすのに熱心で、「その場で口コミを書いたらトリートメントサービス」などの施策をおこなっているところが多いです。
そのため、どうしても評価点が高くなる傾向があり、他のユーザーもそのことを知っているのであまり当てにすることができません。
現在では、Googleビジネスプロフィールのビジネス情報に口コミや評価点が表示されています。
ポータルサイトの情報よりGoogleビジネスプロフィールのビジネス情報のほうが上位に表示されるため、Googleの口コミをみて店舗を選ぶ方も増えています。
ポータルサイトと違い、点数調整がしにくいため信ぴょう性が高いことも理由の一つです。
これからはGoogleビジネスプロフィールで口コミを集める施策をする必要があります。
また、Googleはスマートフォンの位置情報機能を使い、実際に来店したと思われるユーザーに評価依頼通知をしています。
Googleからのサポートは大きなメリットです。
Googleから予約ができる
Googleは、Googleビジネスプロフィールからオンライン予約をする機能をGoogleパートナー(予約管理提供事業者)と提供しています。
ただし、予約機能を利用するにはGoogleパートナーと契約をしている必要があります。
ほとんどは有料ですので、契約をする際には利用できるサービスや料金について確認をしておきましょう。
美容室では、Reserbia(リザービア)、asoview!、Fresha、CoubicがGoogleパートナーとなっています(2020年7月2日現在)。
Googleパートナーは随時追加や変更などがありますので、最新のパートナーは「Googleで予約」のパートナーをご確認ください。
Googleビジネスプロフィールの管理画面から予約機能の設定をおこなうと、ビジネス情報に「予約ボタン」が表示され、Googleで予約ができるようになります。
Googleビジネスプロフィールの予約機能を設定する方法については、「Googleで予約」フォームの設定の仕方をあわせてご覧ください。
実際にMEO対策をやってみよう
では、具体的にMEO対策をしていきましょう。
MEO対策にはGoogleビジネスプロフィールが必須です。
ここからは、美容室におけるGoogleビジネスプロフィールの活用のポイントを紹介していきます。
Googleビジネスプロフィールの登録、オーナー権限取得
Googleビジネスプロフィールを管理するためには、オーナー権限が必要です。
オーナー権限とは、ビジネスのオーナであることを証明することでビジネス情報を管理できる権限のことをいいます。
オーナー権限がない場合は、まずオーナー権限を取得しましょう。
オーナー、店長、従業員など複数人で管理する場合は、同じアカウントを使います。
複数のアカウントでマイビジネスを管理する場合は、従業員には管理者権限を付与しましょう。
オーナー権限の取得については、Googleビジネスプロフィールオーナー確認の手順と知っておくべき注意点で解説しています。
また、Googleアカウントの作成については、Googleビジネスプロフィール登録のメリットと0から登録する方法で解説していますので、あわせてご参照ください。
情報
まずはマイビジネス内の「情報」で、店舗名や営業時間、住所、電話番号など、店舗の基本的な情報を登録しましょう。
店舗名を間違えていたり、電話番号を間違えていたりすると、新規のユーザーは訪れてくれない可能性があります。
基本的な情報ですが、正しく入力しましょう。
属性の設定
属性は、店舗の基本情報(店名、住所など)やメニュー以外の店舗の特徴を設定することができます。
たとえば、「経営者が女性」「テラス席あり」「喫煙席あり」などの情報を設定できます。属性で設定した情報はスマートフォンの詳細メニューから閲覧できます。
美容室には、他の業種・業態にはない属性が追加されており、ビジネスに合った属性を選択することができます。
- 量の少ないストレートヘアのカットやスタイリングが得意なお店
- 量の少ない縮れ毛のカットやスタイリングが得意なお店
- パーマをかけられるお店
- ヘアカラーが可能なお店
- ブロー
- 子どもの散髪が可能なお店
他の店舗にはない特徴を訴求することで他店との差別化につながりますので、属性は必ず設定しましょう。
ビジネス情報
ビジネス情報はテキストを自身で入力することができ、店舗の情報をPRできます。
ユーザーはスマートフォンの「詳細」メニューからビジネス情報を閲覧できます。
お店のコンセプト、得意な分野、スタッフの特徴、こだわりなど、メニューや商品では紹介しきれない情報を載せましょう。
<ビジネス情報の例>
○○○駅から徒歩で3分。
ヘアスタイルやライフスタイルの悩みに合わせたご提案と技術によりリピーターが増えています。
細かなヒアリングにより個人の髪の癖や特徴に合わせて、ご希望のヘアスタイル+アルファをご提案するのが『▲▲▲(店舗名)』。
年齢による白髪や髪質の変化に合わせてカット、カラーをご提案し”かわいい大人女性”を演出いたします。
店長をはじめスタッフ一同常に最新のヘアスタイルを研究しています。
また、店内ではヘアスタイルのプロがおすすめするスタイリング剤やシャンプーなども販売しております。
ぜひ、まずはご予約を。
上記はビジネス情報例です。写真だけでは訴求できないことをビジネス情報で訴求していきましょう。
商品
「商品」に設定した情報は写真つきで紹介でき、PCから検索をした場合は基本情報のすぐ下に表示されることが多いので目につきやすく、集客を増やすためにも重要な施策です。
美容室のメニューはコースメニューもあるため、写真だけでは伝わりづらいです。
写真を使ってイメージを伝えるだけでなく、コースの内容や詳細な説明をしっかりと入れましょう。
<商品説明の例>
・カット&低温デジタルパーマコース ¥14,900
カットとおすすめの低温デジタルパーマのセットコースです。デジタルパーマとは「ホット系」と呼ばれるパーマの種類です。
パーマがかかりにくい、パーマの持ちが悪いと言ったお客様におすすめです。
当店では従来の高温デジタルパーマではなく、低温デジタルパーマをおすすめしています。
従来の高温デジタルパーマでは、高温のためタンパク変性を起こしやすく、髪が固くなったりダメージが出たりしていました。
しかし、低温デジタルパーマではタンパク変性を起こす温度まであげませんので、髪にも安心です。
写真
美容室は決まった形の商品があるわけでなく、お客様に合わせたスタイルを提案することが商品とも言えます。
そのため、美容室のコンセプトやイメージを伝えるのは重要なことで、掲載する写真にもポイントがあります。
写真を掲載する際には、次のポイントを意識して掲載しましょう。
1.世界観の統一
お店のコンセプトに各写真も合わせるとよいでしょう。背景のカラー画像を統一したり、カラーを統一しなくてもビビットカラーで色を一つずつ変えるなどすると、世界観を統一して魅せることができます。
2.被写体と背景の位置
被写体と背景との余白のとり方はポイントです。被写体を中心にもってくるか、または横にもってくるかで与えるイメージは変わります。
3.自然な光の当たり方
できるだけ自然にカットモデルへ光があたっていることがポイントです。
写真を加工する際にも、光の明暗を調整しすぎると不自然になってしまうので注意しましょう。
以上の点を意識して写真を掲載するようにしましょう。
定期的に情報発信をしよう
Googleビジネスプロフィールには、投稿機能やクチコミへの返信機能があります。
ユーザーへ定期的に情報配信してビジネスをPRしていきましょう。
投稿
投稿機能を使って最新の情報をユーザーに伝えましょう。投稿は管理画面の「投稿」メニューから設定できます。
日々感じたことを投稿するのもよいですが、最新のキャンペーン情報やスタイリングの秘訣、最近の流行情報など、美容室ならではの情報を投稿していきましょう。
最近では新型コロナの対応策を気にしている方もいるかもしれません。投稿機能を使ってどのような対応策をしているか発信することもできます。
投稿の方法については、Googleビジネスプロフィール【投稿】機能でできることで説明しているので、あわせてご覧ください。
口コミへの返信
良い口コミが多くあればユーザーはその店舗を利用したいと思いますが、悪い口コミが多い店舗はあまり利用したいとは思わないでしょう。
しかし、どんなに店舗側が気をつけていても、悪い口コミを投稿されてしまうことがあります。
悪い口コミを放置していると、ますます悪い印象を与えてしまします。
ユーザーがあなたのビジネスに口コミをしてくれたら、高評価、低評価にかかわらず返信をしてユーザーとコミュニケーションを図りましょう。
管理画面から返信をすると、「オーナーからの返信」としてユーザーに表示されます。
最近では、ユーザーもポータルサイトの口コミだけでなく、Googleビジネスプロフィールの口コミ情報も参考にしています。
ユーザーとこまめにコミュニケーションをとりましょう。
口コミの詳しい説明は、Googleビジネスプロフィール【口コミ】機能でできることでしていますので、あわせてご覧ください。
インサイトのデータをチェックしよう
インサイトでは、ビジネス情報がGoogle検索やGoogleマップ上でどのように検索されたか、ユーザーがその後どのような行動をとったのかを知ることができます。
具体的には、次のデータを参照することができます。
- ユーザーがお客様のビジネス情報を検索した方法
- 検索クエリ
- ユーザーがお客様のビジネス情報の検索に使った Google サービス
- ユーザーの行動
- ルート
- リクエスト
- 電話
- 写真
- ビジネスが認知されている要因
それぞれの詳細についてはGoogleビジネスプロフィール【インサイト】機能でできることで解説しておりますので、あわせてご参照ください。
インサイトのデータは週に1度は確認し、MEOの施策効果がでているのか、施策の方向性の確認などをおこなって集客につなげましょう。
まとめ
いかがでしたか?Googleの利用率も増え、今やお店を探すのにもGoogleで検索する割合が非常に増えました。
Googleで検索すると、ポータルサイトよりもGoogleビジネスプロフィールが上位に表示されるようになっています。
MEO対策とは、Googleビジネスプロフィールの順位を上げて多くのユーザーに見てもらうための施策です。
ポータルサイトから集客を増やしている美容室も多いと思いますが、Googleの利用率が増えていることを考えるとGoogleビジネスプロフィールで情報発信をすることも重要です。
Googleビジネスプロフィールにはさまざまな機能があり、オンライン予約機能や商品(メニュー)の表示、口コミなど、ユーザーに必要な情報がすべてあります。
情報をこまめに更新し、口コミはどのような評価のものに対しても真摯に受け止めて返信していくことが大切です。
Googleビジネスプロフィールを活用していけばユーザーに見つけてもらいやすくすることができます。
この記事を参考に、実際に対策をして集客していきましょう。
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